猫が飼い主の足の匂いを嗅ぎ、くわっと口を半開きにして驚いたような顔をすることがあります。
あまりの臭さに愕然としているような表情にも見え、動画でも人気。実はこれは「フレーメン反応」といい、特定の匂いを嗅いだときに起きる生理現象です。猫だけでなく犬や馬、牛など一部の哺乳類にも見られます。この記事では、猫がフレーメン反応をする理由と、どんな匂いに反応しているのかを解説します。
猫はなぜフレーメン反応をするのか
猫がフレーメン反応をするのは、フェロモンの匂いを嗅ぎ分けるためです。フェロモンは通常の匂いと違い、とても微細です。そのため猫は気になる匂いを見つけると、鼻で嗅ぐだけでなく、上顎についた「ヤコブソン器官」という器官に匂いを取り込み、さらに詳しく調べようとします。その際匂いをしっかり取り入れるために、わずかに口を開くのです。実はあの可愛い変顔は「臭い!」と思っているわけではなく、フェロモンを確かめようと真剣に匂いを嗅ごうとしているときの顔だったのです。
どんなときに猫はフレーメン反応をする?
猫は「フェロモンがついているかもしれない」と思うと、フレーメン反応をします。
では猫はどんな匂いに反応するのでしょうか?主なもの4つをご紹介します。
自分の匂い
自分のお尻周りの匂いを嗅いでフレーメン反応をする猫がいます。飼い猫の中には、自分以外の猫のフェロモンを嗅ぐ機会がほとんどないため、自分のものであってもフェロモンを嗅ぐと反応してしまう子がいます。また自分のフェロモンを確認することが癖になっているという子もいるようです。
ほかの猫の匂い
オスが発情期のメスのフェロモンを調べるため、お尻周りや排泄物の匂いを嗅ぐことがあります。
また、仲間同士でフェロモンを確認することもあり、メスがフレーメン反応をすることもあります。
他の猫と同居している場合、トイレや座っていた所などの匂いを嗅ぎ、同居の猫のフェロモンかどうかを調べている場合もあります。
飼い主の匂い
人間の靴下や足の匂いで猫がフレーメン反応をすることがあります。実は人間の汗には猫のフェロモンに似た成分が含まれていると言われています。そのため飼い主の衣類や靴、布団などの匂いを嗅いでフレーメン反応をすることがあります。飼い主の汗がフェロモンの成分に近ければ近いほどフレーメン反応は起こりやすくなります。けして匂いの強烈さで反応しているわけではありません。
また、中には飼い主の匂いを確認するために行っている猫もいるようです。
ハッカの匂い
ハッカ系の匂いを嗅いだときにフレーメン反応を起こす場合があります。これもフェロモンに近い成分を含んでいるためと言われています。ペット用の歯磨きの匂いでフレーメン反応を起こす猫もいます。
猫のフレーメン反応、観察してみると楽しいかも?
動物動画などでよく見る変顔「フレーメン反応」は、猫にとってはしっかりフェロモンを感じ取ろうとしている、いたって真剣な行動だということがわかりました。どんな場所やどんなものに反応しているか、注意して観察してみると猫ちゃんの気持ちがより分かるかもしれません。トラやライオンなど、同じ猫科の動物のフレーメン反応と比べてみても面白いですね。