猫の甲状腺機能亢進症とは？どんな病気？

シニア期の猫に多い病気のひとつに「甲状腺機能亢進症」という病気があります。食欲が旺盛なのに痩せていく、急に攻撃的になった、などが代表的な初期症状です。甲状腺機能亢進症とはどんな病気なのでしょうか？詳しく解説します。

猫の甲状腺機能亢進症ってどんな病気？

甲状腺は喉のあたりにある器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは「元気の素」とも呼ばれ、新陳代謝を活発にする働きをしています。

甲状腺機能亢進症はこの甲状腺ホルモンが何らかの理由により過剰に分泌されてしまう病気です。

おもな症状は以下のようなものです。

代謝全般が活性化するため、初期は元気な印象を受けてしまいなかなか気付かれないことが多いです。

病気が進行するにつれ体力や食欲が低下し、高血圧、呼吸困難や心肥大を引き起こすようになります。エネルギーをどんどん代謝する負荷に身体が耐え切れず、疲弊してしまうのです。

甲状腺機能亢進症が疑わしいときは、血液中の甲状腺ホルモンの量で診断します。病気の疑いがあるときのほか、健康診断でも検査できる病院がほとんどです。

甲状腺の過形成、甲状腺がんが原因です。過形成とは過剰は細胞分裂による組織の肥大ですが、甲状腺の過形成の要因は不明です。

甲状腺機能亢進症を完治させる方法はありません。一度かかってしまったら生涯付き合っていかなくてはいけない病気です。

治療法は投薬治療と食事療法で、甲状腺ホルモンの過剰な分泌を抑えます。場合によっては甲状腺を手術で切除します。

甲状腺機能亢進症の猫は腎不全や心筋症などを併発していることも多いといわれます。特に腎不全は甲状腺機能亢進症による高血圧のため発覚しにくい場合もあり、しっかりとした検査が必要になります。

甲状腺機能亢進症は進行するほど身体に与える負担が大きくなり、内臓への影響も大きくなります。

早期であれば投薬によるコントロールがしやすいので、早めに見つけてあげましょう。定期的に健康診断を受けることも早期発見につながります。