「猫は歳を取ると腎不全になりやすい」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
キャットフードのコーナーでも「シニア用 腎臓の健康に配慮」「〇歳以上 腎臓への負担軽減」など、シニア用フードから腎臓の健康維持に重きを置いている商品がぐっと増えてきます。
この流れを見てみると、ある一定の年齢から愛猫の腎臓に気を遣う飼い主さんが多くなると言えるのではないでしょうか。。
ここからは猫に腎不全が多い理由と、家庭でできる予防法を解説します。
猫は腎不全になりやすいって本当?
猫は他の動物と比べて腎不全になりやすいというのは事実です。
大手メーカーの調べによると15歳以上の猫は81%が腎不全という報告があります。
また、高齢猫の死因の第1位は腎不全です。
この結果、猫は腎不全になりやすいと認識されています。
猫が腎不全になりやすい原因は?
猫が腎不全になりやすい原因は、血液中にある「AIM」と呼ばれるタンパク質が腎臓の機能が低下してしまった時に働かないためであると考えられています。
AIMには様々な働きがありますが、その中の1つに急性腎不全で腎機能が低下するとAIMが血中で活性化し、腎臓内の尿の通り道にたまった老廃物を除去してくれる働きがあります。
このAIMは、人間や犬、猫やマウスにも存在していますが、猫だけが「持っているけど、他の動物のように機能していない」そうです。
そのため、他の動物ではある程度AIMの働きによって回避できている腎臓のダメージを猫は回避できません。
ダメージを回避できない結果、猫では腎不全を患いやすくなっていると考えられています。
さらに詳しく知りたい方は東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センターの宮崎徹教授の記事や発表内容を読まれるとより理解が深まると思います。
以下が記事のリンクURLです。
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20161012.pdf
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20161017_01/
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070800906&g=soc
猫の腎不全を予防する方法はあるの?
残念ながらはっきりとした予防法はありません。
現時点でとれる対策として有効なのは、早期発見による食事の切り替えです。
腎臓は一度ダメージを受けてその機能を失ってしまうと回復することはありません。
そのため、早期発見・早期治療が腎不全の発症を遅らせるカギになります。
またそれ以外にも「ネフガード」というサプリメントもあります。
これは体の老廃物などを吸着して体の外に出す手助けをしてくれるものです。
なので、腎臓の機能が低下している子に処方されることが多いです。
そのため、腎臓の負担軽減のために与えたいと考える方もいますが、場合によっては必要な成分まで一緒に吸着してしまう恐れもあります。
サプリメントといえど使用の際には一度、獣医師とよく相談をしてから与えるようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
愛猫との時間が積み重なれば積み重なるほど、愛猫の腎不全が気がかりになる飼い主さんは少なくありません。
残念ながら、腎不全を完全に予防・治療する方法はありませんが、今現時点で打てる手を打つことはできます。
もし、ワクチン接種などで動物病院に行く機会があればその際に愛猫の腎臓チェックをしてみてはいかがでしょうか?