私たちは猫は暑さに強いというイメージを持ちがちですが、実は、体温調節はあまり得意とは言えません。
「猫は自分で涼しいところを見つけてくれるし、大丈夫」と考えて油断していると、異変に気が付いた時にはすでに熱中症になっていたなんてことも。
この記事では猫の熱中症の症状とその対策について解説していきますので、一緒に学んで猫の熱中症を予防していきましょう。
猫の熱中症とは?原因と症状を解説
熱中症は、体が気温や湿度の上昇に順応できず、その結果さまざまな障害、症状を引き起こす状態のことです。
熱中症は短時間で悪化することも多く、重症化すると命を落とすことも珍しくはありません。
そして熱中症が重症化すると、意識がないまま短時間で死んでしまったり、熱中症時に傷ついてしまった臓器が回復せずに後遺症としてずっと残ることもあります。
どうしてなっちゃうの?原因は?
熱中症の原因は高温で湿度の高い環境です。
具体的な例を挙げると以下のような環境があります。
・高温多湿の環境での運動や長時間の滞在
・気温が高く、換気も足りていない
・外が暑いときに、屋外で直射日光を長時間浴びる
・暑い車内にいる
(特に移動中などのキャリーケースの中は空気がこもり、さらに気温や湿度が高くなりやすい)
また、上と合わせて
・水を自由に十分な量が飲めない環境
であれば熱中症の危険はさらに高まります。
どういった症状がでるの?
ここからは熱中症の症状を3段階に分けて解説していきます。
<軽度>
・元気がなくなる
・息が荒くなる(口でハアハアと呼吸をする)
<中度>
・嘔吐
・下痢
・足元がふらつく
・ぐったりする
<重度>
・意識がない
・ウンチやおしっこのおもらしがある
熱中症の症状を3段階に分けてお伝えしましたが、熱中症の症状が現れた場合は度合いに関わらず動物病院で受診をしてください。
猫を熱中症から守る!応急処置と予防法
猫を熱中症から守るためのカギは、病院で処置を受けるまでの「応急処置」と家庭での「予防」です。
ここからは家庭でできる応急処置と予防について解説していきます。
家庭でできる応急処置
熱中症と思われる症状が出たら、ただちに日の当たらない涼しい場所に移動させ、次の応急処置を行います。
可能であれば応急処置を行いながら動物病院に向かってください。
1.保冷剤で首、脇を冷やす
布でくるんだ保冷剤で、太い血管がある首や脇などを十分に冷やします。
ただし、保冷剤を直接あてると猫が凍傷になる恐れがあるので、保冷剤の直接接触は避けてください。
2.濡れたタオルで体を包む
濡れたタオルで体を包んで冷やします。
体温でタオルが温まったら、タオルを交換してください。これを繰り返します。
もし水に濡れるのを嫌がらない猫であれば、霧吹きで水を吹きかけたり、水を直接かけても効果的です。
これらの処置をして状態か落ち着いたように見えても、体内では大きな変化が起こっており、その後状態が急変することがあります。
そのままにせず必ず動物病院で診察を受けてください。
家庭でできる予防法
家庭でできる熱中症予防のコツは6つを紹介します。
・エアコンなどを利用し湿度が高くなく適温(猫の適温は27~28℃)にする。
・風通しを良くする。(扇風機などで風を循環させる)
・新鮮な水を自由に飲めるように、水飲み場を数か所用意する。
・直射日光に当たらないこと(簾やサンシェードの活用)
・ブラッシングで冬毛を取り除いておく
・体の過剰な熱を逃がせられるようにする。
(例えばペット用のひんやりグッズを活用する。
・大理石マット
・冷却ジェルシート
・アルミシート
などがある。
また、風呂場の床やたたき・土間といった冷たい床など、猫のお気に入りクールスポットを確保しておくのも有効。)
いかがでしたか?
一般的に、猫は犬に比べると暑さに対して強い動物種ではあります。
しかし、だからといって熱中症対策を怠っていいわけではありません。
最近の夏は暑さを増して年々厳しくなっています。
それは人も猫も一緒です。
熱中症対策をしっかりと行い、厳しい夏を愛猫と一緒に乗り切れるようにしていきましょう。