愛猫が初めて手術を受けるとなったときに動物病院から「絶食してきてください」と言われた経験のある飼い主さんは多いと思います。
しかし、あまり耳慣れない「絶食」という言葉の意味や目的をその場ですぐに獣医師に確認できる飼い主さんは少ないです。
ここからは、絶食を行う目的と方法を解説します。
猫に絶食が必要なのはどんな時?
健康な猫であれば基本、絶食は必要ありません。
むしろ、不必要な長時間の絶食は「肝リピドーシス」などの病気の引き金になります。
しかし、そんな猫でも時として絶食を行わなければならない時があります。
それは、手術をしなければいけないときです。
交通事故など、緊急を要するときは別ですが、不妊手術など予め日時が決まっている場合には手術の準備として「絶食」を行います。
そもそも「絶食」って何?
絶食とは文字通り、食事を抜く・一切食べ物を口にしないことです。
どうして手術の前に絶食をするの?猫だけなの?
手術の前に絶食をするのは猫だけではありません。
犬や人でも同じように絶食をします。
手術の前に絶食をする目的は胃の中を空にしておくためです。
胃の中を空にするためには12時間以上何も口にしない必要があるため、基本的には手術前日の夕飯と当日の朝食を抜くようにとお願いされることが多いです。
※手術の予定時間や猫の夕飯の時間によっては、当日の朝食のみ抜くようにすればいい場合もあるので、心配な場合は獣医師とよく相談をしてください。
手術の前に胃の中を空にする理由
絶食を行い手術の前に胃の中を空にする理由は全身麻酔での事故のリスクを避けるためです。
手術は全身麻酔をかけて行われます。
この時に胃の中に食べ物が入っていると以下の危険があります。
・窒息
全身麻酔をした状態で嘔吐すると、吐き出しきれずに胃の中の食べ物が器官に詰まってしまう可能性がある。
・誤嚥性肺炎(吸引性肺炎)
胃液や胃の中にある食物などと一緒に細菌を気道の内に入れてしまう事で急性肺炎を発症してしまう恐れがある。
猫の絶食はどうすればいいの?
猫の絶食は飼い主さんが食事を与えなければ行うことができますが、実際は猫がそれを許してはくれません。
手術のリスクを下げるためといっても猫にはそれが伝わらないですし、お腹がすいたと猛抗議を受けることは想像が付きやすいと思います。
そこでここからは断食を行う3つのコツを紹介します。
・とにかく遊ぶ
空腹を遊ばせることで紛らわせます。
若い遊び盛りの猫の場合はこの方法が使いやすいです。
・食べ物は一時避難
たくさん遊んだとしても、飼い主さんが寝ている間に袋を破いて盗み食いということも珍しくはありません。
そのため、衣装ケースや高い戸棚の上など猫の手の届かないところにフードを避難させておくとより安全です。
・前夜からお預け
「おねだりが激しすぎて無理!」「どこに隠してもしっかり見つける!」「同居猫がいるから難しい…」
同居猫の有無や、その子の気質上何をしても無理と飼い主さんが頭を抱える猛者の子もいます。
そんなときは無理せず病院に相談して前夜預かりを検討してみてください。
病院側も飼い主泣かせの子がいることは知っていることが多いので、飼い主さんが一人で抱え込む必要はありません。
まとめ
いかがでしたか?
愛猫に空腹を強いるのは飼い主としては心苦しいことです。
しかし、愛猫の手術の安全のため、命のためにこの時ばかりは心を鬼にしてください。
そして無事に手術を乗り越えてくれたらその時は思いっきり甘えさせてあげましょう。
この記事があなたのお役に立てたのなら幸いです。