尿毒症とは、本来であれば尿と一緒に体外に出される毒素や老廃物などが排出されず、身体に蓄積されてしまうことをいいます。体内に溜まりすぎた毒素や老廃物によって全身に障害が発生し、早急に処置を行わなければ命にかかわります。
この記事では尿毒症について、原因や症状、治療法を解説します。
猫の尿毒症はどうして起こる?
腎臓は血液をろ過し、血中の毒素や老廃物を取り除いて血液を浄化します。
そして余分な水分、取り除いた毒素や老廃物を尿として体外に排出しています。しかし腎臓の機能が病気などによって低下してしまうと血液が浄化できず、毒素や老廃物を含んだままの血液が全身をめぐり、各所で障害が発生します。
腎臓の機能を低下させる病気には、慢性腎臓病・急性腎不全・尿道閉塞などがあります。
慢性腎臓病
慢性腎不全ともいいます。高齢の猫に多く、高齢猫の死因第1位は慢性腎臓病です。
長い時間をかけて腎臓の機能が弱っていくため、発見しにくい病気です。進行がゆっくりであるため、発覚したときにはかなり悪化していることが多いのが特徴です。
急性腎不全
何らかの原因で急激に腎臓の機能が低下することです。原因は植物のユリ・農薬や除草剤・不凍液などの誤食が代表的です。また、熱中症や脱水・心疾患・敗血症などが原因になることもあります。
尿道閉塞
膀胱・尿管などの古い細胞が剥がれ落ちてできた栓子や結石が詰まることで発生します。尿が出にくくなり、腎不全を引き起こします。雄猫は尿道が細く、雌猫よりもリスクが高くなります。
猫の尿毒症の症状は?
尿毒症の最初の症状は以下のようなものが挙げられます。
- 尿が出ない
- 食欲不振・嘔吐
- 元気消失
- 口臭(アンモニア臭
- 口内炎・歯肉炎
さらに放置する事によって重度なものになると、以下のような症状が現れます。
- 痙攣
- 意識障害
尿毒症の一番初めの症状は尿が出ないことです。トイレに行かない、トイレに入っているけれど排尿していないというときは注意しましょう。
尿毒症の猫にはどんな治療がおこなわれる?
点滴や利尿剤で尿の量を増やし、溜まった老廃物を排出させます。尿道閉塞の場合はカテーテルの挿入や手術で尿道を開通させます。
慢性腎臓病が原因の場合は、残念ながら回復が難しく、対症療法や緩和ケアが中心になります。
猫の尿毒症の予防法
尿毒症は腎臓の病気がきっかけで起こることがほとんどです。愛猫を尿毒症にさせないためには、腎臓の病気の早期発見、治療が大切です。また、塩分の強い人間向けの食品を食べさせるなど、腎臓の負担になる行為は避けましょう。
猫は腎臓の病気にかかりやすい動物なので、日頃から尿のチェックをしたり、定期健診で体調をチェックすることも重要です。
まとめ
尿毒症は予後のよくない病気です。尿が出ないことはつらく、猫も非常に苦しい思いをします。尿毒症になってしまわないように、日頃から健康に気を付けましょう。