愛猫を動物病院に連れて行ったときに受付の人にこう聞かれたことはありませんか?
「猫ちゃんは洗濯ネットに入っていますか?」
飼い主さんの中には「なぜ猫を洗濯ネットに入れなければならないのか?」「そんな中に入れるなんてかわいそう」と感じる方がほとんどです。
ですが、動物病院側が猫を洗濯ネットに入れてるのをお願いするのには理由があります。
ここからは、猫を洗濯ネットに入れる理由を動物病院で看護師としての勤務経験があり、
現在も2匹の猫と暮らす著者が解説します。
どうして猫を洗濯ネットに入れるの?押さえておきたい4つの理由
「猫を洗濯ネットに入れる」一見すると虐待にも見えるこの行いですが、実はこれは猫と診察に当たる動物病院スタッフ双方を守るために取られている方法です。
ではなぜ洗濯ネットが猫とスタッフを守るのか?
その理由を1つづつ解説していきます。
猫を怪我から守るため
洗濯ネットは猫が急に暴れても動きを抑え、逃げ出しにくくするためのものです。
その理由は、おとなしく診察されていた猫が急に暴れだし、診察室の棚の上や机の下などに逃げ込んでしまうことは珍しいことではありません。
むしろその行動が普通だと考えるべきです。
また、パニックになり逃げだそうとしたときに棚の上の本などを落としてしまい、受診理由とは関係のない怪我を作ってしまう可能性があります。
そのため、猫が暴れても危ないところに逃げないようにある程度動きを制限させてもらう必要があるのです。
きちんと診察を行うため
診察や検査を行うにはまずは猫に触れられなければ始まりません。
しかし、猫によっては怒ってしまい触診すらままならないこともざらにあります。
ネットに入っていなけれは心臓やお腹の音すら聞かせてもらえないことも多いのです。
このため、猫をきちんと診察するためには猫自身に動かないでいてもらう必要があります。
適切な処置を行うため
処置も診察と同じ理由です。
症状によっては注射や点滴が必要になるでしょう。
しかし、いくら治療のために必要な処置でも猫からすれば「嫌なことをされている」
に変わりはありません。
暴れる猫に注射や点滴などの処置を行うのは病院スタッフでも簡単なことではありませんし、思わぬ事故の引き金にもなります。
少しでも安全に猫におとなしく治療を受けてもらうには、猫に動かないでいてもらうに勝るものはないのです。
飼い主やスタッフを守るため
猫が暴れて怪我をするのは猫だけではありません。
興奮した猫を落ち着かせようとした飼い主やスタッフが怪我をする事も多いです。
実際、豹変して診察室を暴れ回り、棚の上に逃げた猫を捕まえようと手を出したら飛びつかれて、腕から手の甲まで数本の深い引っかき傷を作ってしまったスタッフもいます。
また、引っかき傷だけでなく噛まれて手に穴が空く事もあります。
そうなってしまっては治療どころではなくなってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
「猫に洗濯ネット」と聞いて不快感を持つことは猫を愛する人なら当然です。
しかし、理由を知ればある程度は納得いただけるのではないでしょうか?
実際、私も猫を動物病院に連れて行くときは事前に洗濯ネットに入れていきます。
理由は動物病院に勤めていた時にこの4つを全て経験したからです。
ひやりとしたことも一度や二度ではありません。
猫、動物病院スタッフ、自分を守るためにも「転ばぬ先の洗濯ネット」と考えてみるのはいかがでしょうか。