犬のフィラリアは時として猫にも感染し、症状を発症させます。
そして、その症状は犬よりも重く深刻な場合も少なくありません。
しかし、犬のフィラリアが猫で発症したからといって、治療方法も犬と同じとは限らないのです。
この記事では「猫のフィラリアの治療と予防」について解説していきますので、一緒に学んでいきましょう。
猫のフィラリアは予防だけ?治療はないの?
猫のフィラリア症の治療において、残念ですが確立された原因療法がないのが現状です。
犬であれば手術による外科的摘出や薬剤による成虫駆除が行われますが、猫ではそれらの治療は難しいとされています。
その理由を1つづつ解説します。
犬とは違う!猫のフィラリア治療
①手術
犬では心臓に寄生したフィラリアを手術で直接取り出す外科的治療法(釣出手術)があります。
しかし、猫の場合は心臓のサイズの問題から手術は難しいとされています。
②お薬
犬では心臓に寄生したフィラリアを駆虫薬を投与して成虫を駆除する方法があります。
しかし、猫では薬剤による成虫の駆除は行えません。
その理由は、猫への駆虫薬の使用はフィラリアの成虫の死骸が血管に詰まるため、猫での使用は禁忌とされているからです。
そのため、現在行われている猫のフィラリア症の治療は、炎症をコントロールし、咳や呼吸困難などの症状を軽くすることを目的とした対症療法が中心になります。
その上でこれ以上のフィラリアに感染しないためにフィラリア予防薬を月1回投与します。
そのため、猫のフィラリアは「予防」することがとても大切になってくるのです。
猫のフィラリアの予防はどうやればいいの?
猫のフィラリアの予防は動物病院で取り扱っている「猫対応のフィラリア予防薬」を使用することをオススメします。
猫対応のフィラリア予防薬は月に一回背中に垂らすタイプが多く、投与も比較的楽と感じる飼い主さんも多いようです。
そもそも予防薬ってどんな薬?
フィラリア予防薬はフィラリアを寄せ付けない薬ではなく、体の中のフィラリアを幼虫のうちに殺すことで、成長して心臓に移動・寄生するのを防ぐための薬です。
蚊が活動を始める1か月前から薬を月1で与えます。
そして、蚊がいなくなった次の月まで継続して月1で与え続けます。
ここで大切なのは蚊を見かけなくなってから1ヶ月後の投薬を忘れないことです。
ここでお薬を忘れてしまうと、今までの予防の意味がなってしまいます。
ぜひ、最後まで気を抜かず猫をフィラリアから守り通してあげてください。
まとめ
いかがでしたか?
フィラリアで傷ついてしまった心臓や肺は、治療をしても元の健康な状態に戻ることはありません。
それどころか、運が悪ければ最悪突然死を招く恐ろしい寄生虫です。
しかし、猫のフィラリア症は知識さえあれば予防ができる感染症でもあります。
ぜひ、猫をフィラリアから守って末永い幸せを手に入れてください。