私たちは「尿路結石」と聞くと何を思い浮かべますか?
「とにかく痛い!」「男性に多い」というワードが思いつくのではないでしょうか。
実はこの尿路結石は猫にとっても珍しい病気ではありません。
この記事では猫の尿路結石とその予防についてわかりやすく解説していきます。
猫の尿路結石ってなに?なりやすい猫の特徴は?
尿路結石とは尿路に結石(物質が結晶をつくり、それがタンパク質などと結合して固まったもの)が作られ、その結石により起こる様々な障害の総称です。
更に具体的に言うと、尿路はおしっこを作り、外に出すための器官のことで、腎臓→尿管→膀胱→尿道のことをまとめて尿路と言います。
そのため、尿路結石といっても尿路のどの部分に結石ができたのかで病名が変わってきます。
次は尿路結石になりやすい猫の特徴について解説します。
なりやすい猫の特徴
尿路結石は年齢、性別に関係なく「全ての猫」にかかる可能性のある病気です。
しかし、強いて言えば尿路の下の器官(膀胱→尿道)に起こる疾患の中で下部尿路疾患というものがあります。
尿路結石は下部尿路疾患の原因の1つです。
そして尿路結石の中には尿道結石というものがあります。
尿道結石で特に注意をしなければならないのが尿道閉塞(おしっこが出せれなくなること)です。
この尿道結石による尿道の詰まりはオス猫、特に肥満傾向にある猫に多く見られます。
猫の尿路結石の予防のためにできること5選
排泄は生きていくためには欠かせない行動の1つです。
しかし、尿路結石はこの排泄行動にとってとても厄介なものです。
なので、できるなら一生無縁でありたいですよね。
ここからは猫の尿路結石の予防のためにできること5選を紹介します。
トイレの清潔を保つ
おしっこを我慢させてしまうと膀胱炎の引き金となり、尿路結石を作ってしまう可能性があります。
猫は汚れていたり、落ち着けない環境ではトイレを我慢してしまうため、清潔で静かなトイレ環境を整える必要があります。
おしっこに配慮した食事を与える
尿の㏗バランスに配慮した食事を与えることも有効です。
しかし、フードによっては正常な尿の㏗バランスを崩してしまうことがるためフード選びは獣医さんと相談して決めることをオススメします。
また、ウェットフードを取り入れて食事自体の水分量を増やして、水分摂取量を増やしてあげると、おしっこの成分が薄くなり、結石ができにくくなります。
ダイエットをする
肥満の猫はそうでない猫に比べて運動量が少なく、飲む水の量とおしっこの量も少ない傾向にあります。
おしっこが少なく濃くなればその分結石もできやすくなるので、ダイエットをして運動がしやすい体に整えていく必要があります。
ストレスを減らす
猫はストレスに弱い生き物です。
そのため、ストレスがたまらないようにしてあげる事も大切です。
ストレスを解消する為にと飲む水の量の増加のためには猫じゃらしなどで遊んであげましょう。
適度な運動は肥満防止と水を飲む量を増やす効果に繋がります。
定期的な尿検査
毎月の尿検査は難しいですが、1年に1回でも尿の状態を詳しく把握することで、早期の対策を取りやすくなります。
ワクチン接種と併せて尿検査も取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
尿路結石は病気が治ったとしても、以前の生活に戻れるものではありません。
その理由は、尿路結石は病気が治まった状態を維持し続けなければ、簡単に再発してしまう可能性が高いからものだからです。
そして再発してしまうとまた初めから治療を行う必要があります。
これは飼い主さんと猫にとって幸せなこととは言えないでしょう。
そのため、尿路結石から愛猫を守るには「治療」よりも「予防」に重きを置いた生活を送ることが大切です。