猫にあげてはいけないといわれる食物のひとつに、ぶどうがあります。どうしてぶどうを食べさせてはいけないのでしょうか?猫がぶどうを食べるとどうなるのか、ジュースやレーズンなどの加工品は大丈夫か、などの疑問について解説します。
猫にぶどうを食べさせてはいけない理由
近年、猫がぶどうを食べると中毒を起こし命にかかわる可能性があることがわかってきました。
ただ、ぶどうのどの成分が猫に有害なのか詳しいことは判明していません。ぶどう中毒が認識されたのが最近であることと、ぶどうを食べる猫が少なく臨床データが集まりにくいことが理由です。
ぶどう中毒の症状とは
猫がぶどう中毒になると食後2~3時間後に嘔吐・下痢などが現れ、3~5日後に急性腎不全を発症するといわれます。そのほかは腹痛、ぐったりするなどが主な症状です。
急性腎不全を発症すると尿が出なくなり、尿と一緒に排出する毒が体にたまってしまいます。毒素がたまることで身体のさまざまな部分に障害が発生し、最悪の場合、死に至ります。
どのくらい食べると危険?
ぶどうを食べて中毒になる摂取量は猫の体重1㎏あたり10~30gとされています。
しかし、ぶどうから受ける影響には個体差があり、少量でも中毒になる可能性があります。たとえ少量でも食べさせてはいけません。
特に高齢猫や、腎臓にもともと疾患がある猫は腎不全になりやすいので注意しましょう。
レーズンやジュースなどの加工品は
ぶどうそのものだけでなく、ぶどうからできているレーズンやジュースなどの加工品も危険です。ぶどう中毒の死亡例にはレーズンが原因のものも存在します。
特にレーズンはパンやお菓子に使用されていることも多く、ぶどう単品よりも猫が誤食する可能性が高いです。猫の手の届くところには放置しないようにしましょう。
猫がぶどうを食べてしまったらすぐに病院へ
原因がはっきりしていないぶどう中毒には治療法が確立しておらず、対症療法のみとなります。腎不全を発症してしまうと完治は難しく、予後はよくありません。
猫がぶどうを食べてしまっても、消化してしまう前であれば吐かせる処置で済みます。食べたものが胃にとどまるのは約1時間程度です。ぶどうを食べてしまったら様子見をせず、すぐに病院へ連れていきましょう。
まとめ
まれに、ぶどうを食べたけれどまったく問題なかった、という猫もいるようです。しかしぶどう中毒によって起こる腎不全は恐ろしい病気です。猫がぶどうを食べてしまったら「大丈夫かもしれない」とは考えず、必ず診察を受けてくださいね。