野良の子猫を拾ったんですけど、ご飯を全然食べないんです…。」
春先や秋口、野良猫ちゃんたちが繁殖シーズンを迎えると、よくこういった相談を受けます。
原因はなんでしょうか。ただのストレス?それとも病気?
ここでは、野良の子猫がご飯を食べない理由について、動物病院で働く筆者が出会うことの多いものをいくつかご紹介したいと思います。
拾った野良猫が餌を食べてくれない理由
野良猫ちゃんを拾ってからどのくらい期間がたっているかによって、グループ分けをしてご飯を食べない理由を考えていきましょう。
拾ってから1日以内
さっき拾ったばかりであれば、見知らぬ人、場所へのストレスや、衰弱や脱水で自力でご飯が食べられなくなっている可能性があります。
今までお母さん猫のミルクしか飲んだことがない子猫は、ペーストやカリカリご飯の食べ方が分からないこともあります。
風邪症状がひどい場合は、鼻がつまっていて食べ物の臭いがわからないのかもしれません。
拾ってから1日~1週間
「最初は食べてくれたのに、食べなくなってきちゃった…。」
これは、胃腸炎や消化不良になっている可能性が高いです。野良猫は、一部の人からご飯をもらってる子たちを除いて、基本的に栄養失調状態です。ろくに食べれていなかった子猫が、ある日突然栄養満点のキャットフードをたくさん食べると、胃腸がびっくりしてお腹を壊してしまうことがあります。
拾ってから1週間~1ヶ月
このくらいからだんだん食欲がなくなってくるようであれば、何かの病気を疑います。
例えば元から持っていたウイルスや寄生虫の感染症がだんだん悪化してきてご飯を食べれなくなっている可能性があります。
このころに、胃腸炎や消化不良を起こしてしまう子もいます。
拾ってから1ヶ月以降
いっしょに暮らし始めて1ヶ月以上たってから、食欲がなくなるのであれば病気の可能性を強く疑います。
猫のお腹の寄生虫は、猫の成長に合わせて寄生虫も成長しますので、ある程度猫が成長してからやっと、吐き気や下痢、食欲不振などの症状を引き起こします。
やんちゃ盛りですので、ヒモや布、ビニールなどの誤飲も大いに考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「野良の子猫ちゃんを拾ったけど、ぜんぜんご飯を食べてくれない…。」
その理由は、単純にストレスだけとは限らないのです。
成猫と違い、体力が少なく免疫力も弱い子猫の食欲不振は命に関わります。
食欲不振が1日以上続くようであれば、すぐに動物病院に行って、検査をしてもらってくださいね。