私たちのよくある体調不良の1つに「お腹がゆるくなる」があります。
そしてお腹がゆるくのは猫も同じです。
「昨日まで何ともなかったのに今朝から急にうんちがゆるい!」「ここ最近、お腹の調子が安定しない」と動物病院で診察を受ける猫ちゃんも少なくありません。
この記事ではどんな猫にも起こりうる「軟便」についてわかりやすく解説していきます。
猫の軟便ってどんなもの?下痢との違いは?
「お腹がゆるくなる」っといってもその状態や感じ方は人それぞれです。
そのため動物病院で症状を伝える時に「軟便ですか?」と聞かれると答えに困ってしまうという飼い主さんも少なくありません。
ここからはそんな下痢と軟便の違いについて解説します。
下痢と軟便の違い
軟便とは、便に含まれる水分量が通常よりやや多く、柔らかくなった便のことです。
具体的に言うと、柔らかく崩れやすい半固形状の便が一般的に「軟便」と言われます。
軟便から更に水分量が増えると水のような便、いわゆる「下痢」になります。
軟便と下痢は明確な区別がされているわけではありませんが、水分量が80%以上だと軟便、または下痢といわれます。
そのため、軟便は下痢の症状の1つです。
猫の軟便の原因は?どんな病気が疑われるの?
人も猫も「便がゆるくなる・お腹の調子が悪くなる」という体調の変化は珍しいことではありません。
多くの場合は、環境の変化によるストレスや食べ物との相性、季節の変わり目による気温の変化などの一過性のものではないでしょうか?
原因のわかっている一過性の軟便であればそれほど心配はいりません。
しかし時として、便の変化は内臓の異常を知らせてくれている場合もあります。
ここからは猫の軟便で疑われる病気について解説します。
急性下痢
急性の下痢の場合、考えられる主な病気は以下のものがあります。
・消化器内寄生虫症
・消化管細菌感染症
・細菌病
・猫汎白血球減少症
・腸炎
・出血性胃腸炎
・急性膵炎
慢性下痢
慢性の下痢の場合、考えられる主な病気は以下のものがあります。
・腸炎
・慢性特発性腸疾患(好酸球性腸炎、肉芽腫性腸炎)
・胃の腫瘍
・腸の腫瘍
・ジアルジア症
・腸閉塞
・腸リンパ拡張症
・膵炎
・膵外分泌不全症
・肝臓および胆嚢・胆管の疾患
・甲状腺機能亢進症
今回こちらに書いた病気はあくまでも考えられる主な病気の一部です。
これらの病気を「軟便である」ということだけで判断をすることは大変危険ですし不可能です。
そのため、「おかしい」と感じたら一度獣医さんに相談して下さい。
まとめ
いかがでしたか?
便は言葉通り身体からの「便り(お知らせ)」です。
身体は便を通して普段直接見ることのできない内臓の状態を私たちに知らせてくれます。
環境の変化や一過性のストレスなら時間を置けば元に戻りますが、寄生虫や内臓の疾患の場合は放っておいてもよくなることはほとんどありません。
また、特に生活環境に変化はないのにお腹がゆるくなった場合は一度動物病院で糞便検査などの検査を受けることをおすすめします。