私たちは「適正体重」と聞くと何を思い浮かべますか?
多くの人が「適正体重=理想体重」と考えるのではないでしょうか。
そして猫にも人と同じように適正体重があり、その体重を維持していくことは健康維持のうえで大切なことの1つです。
この記事では猫の健康の指標の1つである適正体重について解説します。
猫の適正体重って何?どうやって見ればいいの?
適正体重とは、統計的にもっとも病気にかかりにくい体格であることを指します。
人の場合、適正体重は「BMI22」がこれに当たります。
しかし、猫の場合は人のようにBMIが計算できるわけではありません。
そのため、猫の適正体重とはどの程度を指すのかわかりにくいのが現状です。
ここからは猫の適正体重の見方と目安について解説していきます。
適正体重の見方
猫の適正体重は体重を測らなくても、ある程度確認することができます。
そのためには、以下の2つのポイントを確認してください。
・見ただけでは肋骨がわからないけれども、触ってみると薄い脂肪の下に確認できる状態
・立っている姿を上から見たときに、わずかにウエストのくびれが確認できる状態
この2つのポイントをさらに細かく5つの段階に分けたものを「ボディコンディションスコア(BCS)」と呼びます。
猫の適正体重をBCSに当てはめた場合、BCS3が適正体重になります。
適正体重の目安
一般的な猫の理想体重は3~5㎏と言われています。
しかし、猫にも大型の品種は存在しており、たとえはサイベリアン・フォレスト・キャットのオス猫の場合、適正体重は4~8㎏となっています。
そのため、より正確に適正体重を把握するにはBCSと体重を併せて判断する必要があります。
猫の適正体重を守らないとどうなるの?
適正体重から大幅にずれるということは病気のリスクが高まるということです。
ここからは猫の適正体重が多すぎる場合と少なすぎる場合のリスクについて解説します。
多すぎる場合
適正体重を大きく上回る場合は「肥満」になります。
肥満には多くのリスクがあり、その一部を紹介します。
・糖尿病
・尿路疾患
・肝不全
・皮膚病
・関節炎
・心疾患
・麻酔リスクの上昇
少なすぎる場合
適正体重を大きく下回る場合は「痩せすぎ」になります。
瘦せすぎは以下のリスクが考えられます。
・体力不足による免疫力の低下
・毛並みが悪くなる
またこれら以外にも体重減少には慢性腎不全や甲状腺機能亢進症などの病気が隠れている可能性があるので、早めに動物病院で検査を受けることをお勧めします。
まとめ
猫も人と同じように、その子にあった適正体重というものがあります。
適正体重の多少の増減であればさほど気にする必要はありませんが、適正体重を大幅に超えていたり、逆に少なすぎることは猫の健康にとっていいこととは言えません。
ですが現代は飼い猫と飼い主にとっては飽食の時代です。
そのため、ついついおいしいものを手に取ってしまうのは不可抗力でしょう。
しかし、だからといって健康と適正体重を切り離すことはできません。
適正体重から逸れるリスクをきちんと理解し、健康で過ごせる時間を1日でも多く作っていってあげてください。