猫はとても感情が豊かな動物です。言葉は話せなくても、その気持ちを身体のさまざまな部位から読み取ることができるのを知っていますか?しっぽも猫の感情がよくあらわれる場所のひとつです。しっぽからわかる猫の気持ちを解説します。
猫のしっぽについて
猫のしっぽは背骨と同じように短い骨がいくつも連なっています。その骨をしっぽの先まで筋肉が覆っているため、まっすぐ伸ばす、丸める、先端だけを曲げるといった複雑な動かしかたができます。
猫のしっぽの役割は大きく2つで、塀の上のような狭い場所を歩くときにバランスをとることと、猫同士でしっぽの形で感情を伝えあうことです。しっぽは猫にとって大切なコミュニケーションツールなのです。
しっぽの状態ごとの猫の気持ち
猫はしっぽでどんなことを伝えようとしているのでしょうか。しっぽの状態ごとの猫の気持ちを解説します。
ピーンと上に向けて伸ばす
ご機嫌なときです。子猫が母猫に甘えるときに見られるもので、飼い主さんに甘えたいときもしっぽをピンと立てます。相手に対して友好的な気持ちを持っていることの表現です。
構ってほしがっている、ご飯が欲しいと思っていることもあるので、要求にこたえてあげましょう。
ゆっくりと振る
リラックスしている状態です。気分よくゆったり過ごしているので、邪魔をしないであげましょう。猫自身の足にしっぽを巻き付けるようにして座っているときも同様です。
名前を呼ぶとちょっと振る
呼ばれているのはわかっているけれど、面倒くさいのでそちらまでは行きたくないという気持ちの表れです。短く「にゃっ」と鳴くこともあります。
パタパタと床にたたきつける
ご機嫌斜めのサインです。ゆったりしたいときにしつこく構われる、など思い通りにならなくてイライラしている可能性が高いです。そっとしておいてあげましょう。
お腹の下に巻き込む
恐怖を感じているとしっぽの先をお腹の下に隠すようなしぐさをします。耳を伏せ、瞳孔が開いて姿勢も低くなります。
だらんと下がっている
落ち込んでいるときのしぐさです。叱られた、何か失敗をしてしまった時などに見られます。落ち込む原因に心当たりがない場合は体調不良の可能性もあります。猫のようすを注意深く観察しましょう。
しっぽから猫の気持ちを読み取ろう
しっぽを見ることに慣れると「今はそっとしておいてほしいんだな」「今は構ってほしいのかな」とある程度の予想がつけられるようになります。愛猫との適切な距離感を保つためにも、しっぽの感情表現をよく観察してみてください。