涙というと感情の昂ぶりを想起しますが、猫が流す涙は生理現象や病気によるものです。食事中やあくびなど、日常生活のなかでみられる涙は特に問題ありません。しかし涙の量が多い場合や目やにを伴う場合には、病気の可能性を視野に入れた方がよいでしょう。結膜炎や角膜炎、流涙症などが、猫の涙と関わりのある病気の一例です。
猫が涙を流す状況とは?
猫は、喜びや悲しみなどの感情に起因して涙を流すことはないといわれています。どのようなときに猫は涙を流すのか、以下に紹介します。
食事中
食事中にみられる猫の涙は、ご飯の美味しさに感激した嬉し涙ではありません。ホコリやゴミが目に入ってしまっている可能性があります。細かなゴミが飛散しないように、エサ皿の周りはこまめに掃除しておくとよいでしょう。
あくび
あくびのときに出る涙は、顔の筋肉の動きに涙腺が刺激されて発生します。猫は口をかなり大きく開けてあくびをするので、涙が出ることがあるようです。
涙の原因として考えられる猫の目の病気とは?
生理現象としての涙であれば心配無用ですが、涙の量が多く目やにを伴っている場合は、病気の可能性を疑った方がよいでしょう。涙の原因として考えられる猫の目の病気は以下のとおりです。
結膜炎
ホコリやゴミなどの異物やウイルスが原因で、結膜に炎症が起きる病気を結膜炎といいます。涙の量の増加とあわせて、結膜に腫れや赤みがみられた際は結膜炎が疑われるでしょう。
角膜炎
トゲや傷、ウイルス、結膜炎の悪化などが原因で角膜に炎症が起きる病気が角膜炎です。角膜炎が起きているときには涙のほかに、目をやたらこする、目を痛がるなどの行動がみられます。
流涙症
涙や目やにが著しく増加する病気を流涙症といいます。流涙症は鼻が低い猫が発症しやすい病気で、涙やけによって目元の被毛が茶色くなってしまうことがあります。
愛猫に涙がみられた際には、病気でなくても拭き取ってあげるとよいでしょう。涙の拭き取りによって、被毛の清潔を保つとともに、ほかの猫への感染予防にもなります。