メスの猫はだいたい生後6カ月~12カ月のあいだに性成熟を迎え、妊娠ができるようになります。メスの猫を初めて飼うかたは「猫って生理があるの?何か準備が必要なの?」と疑問に思うこともあるでしょう。
結論をいうと猫には生理出血は起こらないため、準備は必要ありません。もし猫が陰部から出血をしていた場合は、病気の可能性があります。
猫に生理がない理由
猫は排卵・妊娠のしくみが他の動物と少し変わっているため、生理がありません。
多くの哺乳類は、定期的に排卵をします。排卵後に妊娠が成立しなかった場合、妊娠に備えていた子宮内膜が体外に排出されるのが生理です。
猫には定期的な排卵がなく、交尾の刺激によって排卵が起こり、ほぼ確実に妊娠します。交尾の刺激で排卵する動物は交尾排卵動物と呼ばれます。
交尾排卵動物とは
交尾排卵動物には猫、ウサギ、フェレットなどがいます。これらの動物は野生では単独行動をとっていて、オスとメスが常に一緒にいません。定期的な排卵だと排卵後にタイミングよくオスと遭遇しなければ妊娠できず、効率が悪くなってしまいます。交尾排卵は動物の生活パターンに合わせた進化なのです。
生理ではない猫の出血とは
猫には生理出血はないので、陰部に出血を発見した場合は何らかの病気の可能性があります。出血が見られた場合は以下を疑いましょう。
子宮の病気
妊娠が可能な年齢の猫は、ホルモンの影響で子宮に細菌が侵入しやすくなる時期があります。細菌感染により炎症が起き、子宮内に膿がたまる病気を「子宮蓄膿症」といいます。
子宮蓄膿症にかかると、いやな臭いがする膿の混ざった血が外陰部から流れ出ます。放っておくと命にかかわるので、疑いがある場合は病院で診察を受けましょう。
子宮からの出血の原因はほかに、子宮がんや子宮内膜症などがあります。
腎臓の病気
猫は尿道口と膣口が近いため、血尿が付着しているのを膣口からの出血と勘違いされることもあります。
血尿の原因で多いのは膀胱炎です。膀胱炎になっている場合、血尿以外には頻尿になる、排尿時に痛がって鳴くといった様子が見られます。命にかかわることはほとんどないですが、膀胱炎の症状はつらいので早めに病院へ連れて行ってあげてください。
尿石症が原因で血尿が出ることもあります。
まとめ
猫には生理出血がなく、陰部からの出血はなんらかの異常です。気付いたら病院で診察を受けましょう。
また、避妊手術で子宮を摘出してしまえば子宮の病気にはなりません。子孫を望んでいない場合は、愛猫の健康のためにも検討してみてくださいね。