私たちが生活している中で「てんかん」という言葉を聞く機会はあまりないと思います。
しかし、実際にはてんかんを持つ猫は100頭に5頭程度の割合でいるといわれています。
実際に筆者も今まで20頭以上の猫を飼育してきた経験がありますが、その中にてんかん持ちの猫もいました。
そのため、猫好きならばいずれ出会う可能性の高い病気です。
この記事では猫のてんかんと発作を起こしたときの注意点について解説します。
猫のてんかんって何?どうなっちゃうの?
てんかんは脳の病気の1つで、「てんかん発作を繰り返す」という性質があります。
このてんかんとは、筋肉の収縮を支配している中枢神経系(脳と脊髄)に原因不明の異常な興奮が起こり、筋肉が収縮することです。
そして「てんかん発作」とはてんかん患者さんに起こる発作のことです。
つまり、てんかん発作は症状で、てんかん発作という症状をもった病気をてんかんと呼び、両者を使い分けています。
また、てんかん発作の症状は様々で、全身タイプと体の一部タイプに分けることができます。
全身タイプ
全身の筋肉に痙攣が起こり、意識がなくなります。
よく見られる症状としては
・突然意識を失って倒れ硬直し、その後、手足をバタバタさせる
・泡を吹いて倒れる
・発作中に尿が出てしまう
などがあります。
体の一部タイプ
体の部分的な痙攣で、意識はなくなりません。
よく見られる症状としては
・顔面のけいれん
・黒眼が丸く広がった状態になる(瞳孔散大)
・一部の手足のけいれん(歩けないなど)
・よだれ
などがあります。
猫のてんかん発作で飼い主が気を付けることは?
愛猫のてんかん発作を初めて目にした飼い主さんは「何事だっ!」と驚かれ、同時にどうしていいかわからずにパニックなる方が大半です。
この記事では猫がてんかん発作を起こしたときの注意点を症状と事故に分けて解説していきます。
注意すべき症状
てんかん発作でこれらの症状が現れたらすぐに動物病院で処置を受けてください。
・発作が5分以上続いている
・1回目の発作が終わってすぐに次の発作が起きる
・1日に2回以上発作が起きてしまう
これらの状態は脳が持続してダメージを受けてしまい、死に至る可能性もあるため、緊急対応が必要となります。
事故
突然の発作で意識を失ってしまった場合には思わぬ事故を引き起こすことがあります。
具体的には
・高いところから落下して大怪我をする
・誤って水槽に落下し溺死してしまう
などがあります。
また、発作を起こした猫を抱きかかえようとした際に、猫に手を噛まれてしまうケースもあります。
発作を起こしたときは、バスタオルなどで猫を包んでから、安全で静かな場所に移動させます。
5分以内でおわる発作であれば様子を見て、落ち着いたら病院で診察を受けてください。
まとめ
愛猫のてんかん発作は飼い主さんにとってはとてもつらいものです。
その上、発作の起きるタイミングは猫によって違ってくるため、心の準備をしておくというのも難しいものがあります。
ですが、そんな厄介な病気だからこそ私たち飼い主の行動が愛猫を守るカギとなるといっても過言ではないでしょう。
てんかん発作の正しい対処法を身に着け、もし万が一にその時が来てしまっても最善の対処をとり愛猫をケアしていきましょう。