「プレドニゾロン」という言葉を聞いたことがありますか?
プレドニゾロンとはお薬の中の成分の1つで、私たちにとって触れる機会の多いお薬の部類に入ります。
そして、このプレドニゾロンが身近なのは人だけでなく猫も同じです。
この記事では猫に使われるプレドニゾロンという薬の目的と副作用についてわかりやすく解説していきます。
猫に使われるプレドニゾロンって何?どんな目的で使うの?
プレドニゾロンと聞いてすぐに理解できる人は医療従事者や製薬会社の人達を除けばあまり多くはないでしょう。
ここからはプレドニゾロンという薬とその使用目的について簡単に解説していきます。
そもそもプレドニゾロンとは?
プレドニゾロンは、ステロイド剤の1つです。
合成副腎皮質ホルモン製剤の1つで、コルチゾールから作製されています。
また、プレドニゾロンはステロイド剤の中でも副作用の誘発が少ない薬のため、特に多くの疾患や症状で使用されている薬です。
更に詳しく説明していきます。
まず、ステロイド剤とは体内の副腎という器官でつくられているホルモンの作用を薬として使うために作られたものです。
次に合成副腎皮質ホルモン製剤とは、人の体内の副腎という臓器で作られる副腎皮質ホルモンというホルモンを人工的に合成したものです。
そしてコルチゾールとは副腎皮質から分泌されるホルモンの1つにです。
なのでプレドニゾロンとは副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンを基に人工的に作られたホルモン剤です。
プレドニゾロンを使う目的
プレドニゾロンを使う目的は2つあります。
・炎症(発熱・腫れ・かゆみや痛み・発赤)の抑制
・免疫作用の抑制
これらの効果を利用して、現在では様々な病気の治療にプレドニゾロンを含むその症状に適したステロイド剤が使われています。
プレドニゾロンはどんな病気の時に使われるの?
プレドニゾロンは副作用の誘発が少ないため、処方されることが多い薬です。
ここからはプレドニゾロンが使用されることが多い病気と副作用について簡単にまとめて紹介します。
病気の一例
治療のためにプレドニゾロンが使われる病気は名前を挙げればきりがありません。
ですがあえてごく一部を紹介するならば以下の病気があります。
・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・椎間板ヘルニア
・口内炎
・膵炎
・慢性気管支炎
・免疫介在性疾患
・リンパ腫
・肥満細胞腫
などがあります。
もちろんこれらの病気以外にもプレドニゾロンを含むステロイド剤が治療のために必要な病気は数え切れないほどあり、現在の医療、獣医医療にとってステロイド剤はなくてはならないものです。
注意点
プレドニゾロンを含むステロイド剤の副作用の一部を紹介します。
・食欲の異常な増加
・多飲多尿
・感染症の悪化や誘発
・副腎皮質機能不全
・肝数値の上昇
・下痢、嘔吐、胃潰瘍
・不安、不眠、多幸感による精神不安
・クッシング症候群(皮膚が薄くなる、筋力が落ちる、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病など)
これら以外にもステロイド剤の副作用はいくつかあります。
プレドニゾロンの薬効を十分に利用し、副作用を最小限に抑えるためには獣医師とよく相談し、用法・用量をきちんと守ることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
プレドニゾロンは副作用の誘発が少なく、価格も安価なため処方されることが多い薬です。
そして、薬効も「炎症や免疫作用の抑制」と治療を進めていく中で重要になってくることも少なくありません。
しかし、いくら薬効がよく副作用の誘発が少ないといっても、万能薬というわけではありません。
薬は用法用量を守らなければ、毒となります。
もし、愛猫が治療のためにプレドニゾロンを使うことになったときには、プレドニゾロンのメリットとデメリット理解し、獣医師とよく相談した上で、指示された用法・用量を守ることを心掛けてください。